ベジェの引き方

ベジェを描く時、ハンドルやアンカーポイントの場所に悩むことがあるかと思います。
今回は、アンカーポイントの置き方について。
まず、一番理解しやすく基本として抑えたいのは、円。


円は4つのアンカーポイントからなっており、
水平垂直に位置しています。
まずはこれを基本とします。

複雑な曲線も、水平垂直にアンカーポイントを置くことで、
自分で理解しやすく、制御もしやすくなるかと思います。
次に、「R止まり」という考え方です。
四角の角を円弧にした例を見てみましょう。
同じく水平垂直の位置にアンカーポイントがあり、
ハンドルも水平垂直に伸びています。

これは円と同じで引きやすいと思います。
しかし、これが例えば少し回転したらどうなるでしょうか。
トレースなどする時に。。。

水平垂直じゃなくなって、難易度があがりましたね。
ところが、「R止まり」という考え方をすると、
比較的アンカーポイントの位置に悩まずに済みます。
これはあくまでごく単純化した例ですが、
曲線というのを、直線が交わった部分の角を丸めたものと考えます。
プロダクトデザイン的にいうと、直線が交わり、そこにRをかけるのです。
そこに、直線と、R(曲線)の境ができますね。
ここをR止まりといいます。
ここにアンカーポイントを置くと、直線部分とR部分とはっきり分かれますので、
ハンドルの制御がしやすくなります。

これを複雑な曲線に適用してみると…

黒い複雑な曲線を分解し、
色のついた曲線(上記の直線部分にあたります)が角になって交わると考えます。
水色の丸がR止まりです。
そのR止まりにアンカーポイントを置いていきましょう。
アンカーポイントの角側を意識してハンドルを伸ばし、反対側のハンドルはそのあと調整する感覚です。
こうやって、曲線は、直線(もしくは軽い曲線)が角に交わる。そこがあとで丸まったもの。
の集合体と考えればいいわけです。
これはカーデザインやプロダクトデザイン的な考え方なのです。
実際に三次元のモデルを作る時に、
まず角で交わるように形作り、
最後に角を丸めてつくっていくのです。
3次元のデザイン独特の考え方で、
やってみないことには理解が難しいのですが、
2次元のベジェにも有効な考え方だと思います。
やみくもにアンカーポイントを増やさず、
制御しやすい範囲で最小限の数を置いていくのは、
この考え方がいいかな、と個人的に思います。
わかりにくければ、はじめは角をつくってベジェをひき、
R止まりに+でアンカーポイントを追加、-で角のアンカーポイントを削除、
とやると、わかりやすいと思います。
なかなか言葉で説明するのは難しいのですが、
だいたいのモノは、
直線/平面/軽い曲線/軽い局面、はまず角で交わり、
そこにあとからRをかけるものだ、
と意識してみるといいと思います。