素材「感」

常々素材のことを考える。
アルミ、鉄、チタンなどの金属。それらの表面処理。
様々な木。それらの木目、その向き。
陶器などの艶。
ファブリック、皮革の立体感。
紙のがさつき。
ガラスの厚み、冷ややかさ。
アクリルの透明感、平滑さ。
それぞれに特徴があり、適材適所に使われる。
しかしコストや安全性の理由から本素材を使えないことも多い。
自動車インテリアの安全性から金属は樹脂に置き換えられ、建築物はコストや難燃の問題から本杢は避けられ。ガラスはアクリルに。

それらを使っていかに本物の素材に見せるかが重要とされている。
手段は大きく二つあると思う。塗装と貼りもの。
貼るものの代表と言えばダイノックがまず思い浮かぶ。
ダイノックは非常に多彩な素材感を表現する万能選手。

ただここでいつも思う。
ほかの素材を使って「ダイノックらしさ・ダイノック感」を表現しようとしたらどうすればいいのか、と。
ダイノックらしさってなんだろう。大きく広げれば樹脂らしさってなんだろう。
金属を使って樹脂を表現すること、ダイノックの素材感を表現できるのか、突き板を使って樹脂らしさダイノック感を表現するとすればどんな加工が必要なのか。

これらの疑問は愚の骨頂で、そんなことをする必要は無い、で終わらせることだと思う。

でも本当にできないことなのか、必要の無いことなのか。

なんでも塗装やシートで本物の素材「感」を表現することに飽きてしまってこんな天邪鬼なことを考える。
何を言ってるのかわからないだろうけど自分でも何を言ってるのかわからない。